6時起床。午後まで集中して仕事。2時過ぎ、遅めの昼食をとり、もうひとつやることはあったのだが、エイヤとばかりjogに出る。今日を逃したらまたしばらく走れなくなる。それにしても少し驚いた。1週間ぶりに公園に入ってみると、景色は一変していた。色とりどりの紅葉、そして落葉。アスファルトに落ちた黄色い絨毯を踏みしめて走る。110分。戻って風呂に入り、夜8時、某AVメーカー担当氏に届け物があり、最寄り駅まで来てくださるというので渡しに行く。帰って8時半。原稿書き用資料の散らかった部屋を片付け、必要なメールなど書き、すべての雑用を終えた午後10時。「いざいざ」と台所に立ち、今シーズン初の粕汁作りに取りかかる。
この季節、秋が深まり冬が近づくと粕汁を作る。この習慣はいつから続いているのだろう。こうしてインターネットに文章をアップするようになってすぐ、『追想特急〜lostbound express』に
「冬の愉しみ、冬の哀しみ」というコラムを書いたのが2005年10月末。もちろんそれ以前、おそらく20代後半から作り始めている。NHK朝の連ドラ『てっぱん』で先週、大阪のおばあちゃん(富司純子)がヒロインのあかり(瀧本美織)に、「アンタの尾道焼きはお母ちゃんに教えてもろたのか、違うやろ」と言う場面があった。
〈尾道焼き〉とはまあ、いわゆる〈広島風お好み焼き〉なのだが、鉄工所を経営するあかりの父(遠藤憲一)が作った鉄板を囲み、家族揃って食べるというのがあかりの実家の習慣であり、富司純子のおばあちゃんが言ったのは、それは安田成美演じる母・真知子から「手取り足取り作り方を教えて貰ったわけではないだろう?」という意味だ。そう言えば冬になると粕汁を作るというのは、両親共に関西出身である我が家の習慣ではあったのだが、僕も母親から作り方を習った覚えはない。ウチのオフクロというのは専業主婦意識の強い人で──まあ、昭和一ケタ生まれの女性は概してそうかもしれないが──親父はもちろん、兄貴や僕を一切台所に立たそうとはしなかった。
そう考えるとやはり、一人暮らしを始めた頃、オフクロの作ってくれた味を思い出し、自分なりにやってみたということなのだろうか? ともあれ、今週から来週にかけても目まぐるしく忙しくはなるが、粕汁を大鍋一杯作っておけば飢えることはない。上にリンクした文章でも「作ってから一晩置く」と書いているけれど、今夜もそうすることにしよう。明日は、出来るだけ寒い朝になっていて欲しい。