起き上がれない日々が続いたかと思うと、今度は眠れない夜が続く。ビールを飲んでも焼酎を飲んでも眠気はやって来ず、ぼんやりとはするものの、頭は起きたまま。そうやって今朝もベッドの上にいた。もう、おそらく48時間は一睡もしていない。薬に頼るのは嫌なので、昔から睡眠薬のたぐいは一切口にしない。そもそも眠れなくて苦痛を感じる方じゃない。ただ、今のように気分が暗い時には困る。このまま自分はだめになってしまうのではないか、二度と立ち上がり、走り出せないのではないか?──そんな不安に襲われる。そう思っていたのが朝の9時過ぎ。突然、外でザーッと懐かしい音がした。何日ぶりに聴く雨だろう。すると次の瞬間、何かに洗い流される如く眠りに落ちていた。恵みの雨。
※アパート窓の下、駐輪場のトタン屋根に落ちる雨。2003年6月撮影。data:CANNON IXY DIGITAL 200。