友人の女優、越智絵理香さんが所属する「The 30's 〜サーティーズ」の公演を観るため、下北沢『小劇場・楽園』へ。女性だけの劇団、ずっとオリジナルのみ上演して来たが、今回は清水邦夫作の『楽屋』。花形女優を夢見つつ、最後までエキストラとプロンプターしか出来ず死んでいった、そんな女性達の霊が芝居小屋の楽屋には取り憑いているというお芝居である。共通の友達、神戸からは和ちゃんが、滋賀からK子ちゃんも駆けつけ、一緒に観劇。2人はシナリオライター修業中である。
元々彼女達はシナリオセンター大阪校の同級生で、越智さんと和ちゃんが勝谷誠彦氏のファンだったため、彼のウェブ日記(現在は有料配信メールに移行)から、僕のこの日記にたどり着いてくれて、以来メールのやりとり。やがて会うようなった。こういう人間関係の出来方が、今ではまったく普通になってしまったけれど、5、6年前までは考えられなかった。和ちゃんとK子ちゃんは僕の娘といっていいくらいの年齢、さらに関東・関西という距離をも簡単に超えてしまうというのが、ハタと考えてみたらやはりすごいことである。
お芝居が終わったのが4時少し前。まだ充分昼間である。「でもやっぱり、ココは生ビールと行きたいねー」と下北の街をぶらぶらと歩く。すると茶沢通り、代沢三叉路手前にある
「ととしぐれ」という居酒屋。店の前、舗道沿いに縁側のような席があり、「外のお席なら生ビール半額です」と声をかけられる。プラスチックのコップに注がれたビールを、道行く人を眺めながら飲む。まるでお祭りの日のようだ。次の真昼から生ビールは篠山だな、と思う。かの地もまた、祭の街である。