5時半に眼が覚める。夜明けがまた早くなってきた。早朝より原稿書き。正午、簡単な朝食昼食をとってから外出。渋谷松濤にある、AV監督豊田薫氏の事務所へ。今号を以て休刊する『ビデオメイトDX』誌で、約2年にわたり豊田さんの80代から90年代にかけての作品を評論して来た。今回はそのまとめ的なインタビューをさせて貰う。と言っても、何しろ豊田さんと僕とはかつて同じメーカーで専属ディレクターをしていた先輩後輩の仲。昨日、こうして一人仕事ばかりしていると誰かと話したくなると書いたが、色々と雑談もする。
そもそも事務所に入った時、部屋全体を包み込むような何とも癒される音楽が流れていて、「コレ、イイすね。何ですか?」という話になる。アルヴォ・ペルトというエストニア出身の現代音楽家で、いわゆるミニマル・ミュージック、つまりギリギリまで音階とリズムを単純化した作曲をする人なのだと教えて貰う。「ケイト・ブランシェット主演の
『ヘヴン』っていう映画があってさ、その中で印象的に使われてるんだよね」と豊田さん。ちなみにその時流れていたのはヴァイオリンとピアノ、チェロとピアノで演奏された
『アリーナ』というアルバム。キース・ジャレットのプロデュースで知られるECMレコード、マンフレット・アイヒャーの制作である。
陽が暮れる直前に井の頭線に乗り、最寄り駅スーパーで買い物をし、家に戻ると8時前。そこから仕事を再開し、今日も日付が変わるまで。深夜、「のどごし〈生〉」を飲みながら、
鶏はむ第2弾を仕込んだ。長い一日だった。