6時起床。jog118分。桜はまだ三分咲き程度だが、コブシの白い花が満開だ。早朝はまだ寒いが、今日から向こう四日ほど日中に20度以上の気温になるそうだ。桜は一気に咲き乱れるだろう。
半断食を三日やったので胃の不快感や背中の(胃の裏側)の凝りはすっかり無くなったが、まだ本格的な食欲は戻ってこない。昨日は揚げ玉と玉子、トロロトコンブを散らしただけのシンプルなウドンを食べ、今日はあんかけ豆腐を作った。と言うか、半断食していた時に作った野菜スープにゴマ油とオイスターソースで中華風の味を加え、水溶き片栗粉を混ぜてトロミをつけたものをトーフにかけて煮込んだだけです。でもコレが美味い。ショウガを少量すり下ろして入れるのがコツ。市販のおろしショウガで代用してもOK。
内臓の疲労は癒えたが、そのぶん身体に心地よい筋肉疲労がある。5日間走り続け、2日ジムに行っているからだろう。体内のグリコーゲンが欠乏しているせいか、すぐに眠くなる。今日はjogを終え日記を書いた後30分寝て、ゴハンを食べてからまた30分倒れ込むように寝た。時間は短いがブラックホールに落ちたような深い眠りだ。起きた時、ココは何処、ワタシは誰? と思う(笑)ヒルネをしたのに朝眼が覚めたと勘違いする。やたらと甘いモノが欲しい。ネスカフェのカプチーノにシナモンパウダーを入れて2杯飲み、ロッテのチョコパイを食べる。美味しいなあ。
夜9時まで原稿を書き、ミロスラフ・ヴィトウスの
『EMERGENCE』というアルバムをかけて久しぶりに焼酎を飲む。全編ヴィトウスの指弾きと弓弾きによるアコースティック・ベースだけの演奏で、夜、リラックスするためにお酒を飲みながら聴くアルバムとしたらこれ以上のものはない。
ミロスラフ・ヴィトウスと言えばウェザー・リポートの初代ベーシストとして有名だ。ちなみに二代目がアルフォンソ・ジョンソン、三代目がジャコ・パストリアス。三人とも超のつく天才プレーヤーである。天才、奇才と言えば晩年の奇行とドラッグ癖から夭折してしまったパストリアスを思い浮かべがちだが、僕はこの冷戦下のチェコ交響楽団のコントラバス奏者についてクラシックの基本を学んだというプラハ出身のベースプレイヤーの方が奇才度では上なのではないか、と思っている。
僕らの世代にとってヴィトウスのアルバムと言えば1976年の
『Magical Shepherd』をまず思い浮かべる。アレンピック社製だろうか、銀色のダブルネックベースギター(6弦のギターと4弦のベース2本のネックが付いている)を抱えた金髪の天使のように美しい青年が窓辺に座っている幻想的なジャケットが印象的だ。28才の時のヴィトウスである。ハービー・ハンコックが全面参加したこのアルバムはハンコックのアフロファンクとヴィトウスのヨーロッパ趣味が融合したということにとどまらない非常にプロクレッシヴな作品だ。少なくとも同時代にあったリターン・トゥ・フォーエバーの『浪漫の騎士』やジェフ・ベックの『ワイアード』、ウェザー・リポートの『ヘヴィ・ウェザー』などとは圧倒的な一線を画している。
そんなヴィトウスが数年後、まるで狂気の果てにたどり着いたかのような静かなアルバムが『EMERGENCE』だ。チック・コリアの『リターン・トゥ・フォーエバー』(通称“カモメ”)やキース・ジャレットの『ケルン・コンサート』と同じEMCレコードのカタログである。他の作品同様美しい風景写真だけを使ったシンプルなジャケットも良い。アナログ盤で欲しいなあと思う。