オリンピックが終わったのも、閉会式にニール・ヤングが出て、「Long May You Run(邦題「太陽の旅路」)」を唄ったというのも知らなかった。何と言ってもこの人はトロント出身。カナダを代表するロックシンガーには違いない。そして1976年、盟友スティーヴン・スティルスと久しぶりに組んだ
スティルス・ヤング・バンドでリリースされ、「僕らは嵐の中でやるべきことを見つけたのさ。君がいつまでも走り続けていけますように」と唄われるこの曲ほど、華やかなスポーツの祭典の、終わりを告げるにふさわしいものはないだろう。が、見逃してしまったらあとの祭り。
今日mixiのニール・ヤング・コミュで初めて知り、「うわー、全然知らなかったー」と言いつつYouTubeを覗いて見るも上がっていず、海外のサイトでほんの45秒ほど、とても小さな画面で紹介されているのをやっと観た。ネットのニュースによると、「五輪閉会式のNHKテレビ中継10.7%──瞬間最高は、関東16.2%、関西11.0%でカナダ出身のニール・ヤングが熱唱し、聖火が消える前のシーンだった」とある。思うに、NHKはやたら金がかかって元が取れないという噂の「NHKアーカイブス」も良いけれど、この際もうYouTubeと提携して、我々が見逃した番組をどんどんアップしてくんないだろうか? こちとら受信料払ってンだからさー(と、お金のことになると品が悪くなってすみませんね)。
もしもNHKの人が「えー、そんなふうに無料で流したら誰も受信料払ってくれなくなっちゃうよー」と思っているのなら、それは少し時代とズレているかもしれない。インターネットの時代になってしまった今、情報は止めようがない。だからコンテンツ自体を囲い込むのではなく、メディアのクオリティによって課金のシステムを作り上げていくべきだと思う。当のニール・ヤング先生は、自身のウェブサイトで新作アルバムの楽曲をフリーで提供している。かつてはその40年に及ぶキャリアすべてを公開していた時期もある。
当時、とある米メディアのインタビューでその意図について訊かれた際、つまり「そんなことしたらアナタのレコード売れなくなっちゃうでしょ?」という問いに、ニール先生は「インターネットはラジオだ」と答えられていた。つまり、「君だってかつてはラジオをよく聴いただろう。僕も夢中になって聴いた。それでお気に入りの曲が出来るとレコード・ショップに走ったものさ」と。つまり情報は出来る限りフリーか、フリーに近いカタチで公開し、後はユーザーのチョイスに任せるのが好ましいのだと。だからニール・ヤングは昨年、キャリアの集大成たる
『Neil Young Archives 1 (1963-1972)』をリリースする際、ブルーレイ・ディスクで出すことを強固に主張したワケです(結果的にはレコード会社の意向だろう、DVD版とCD版も出たが)。
ちなみに現在YouTubeには、高画質の液晶テレビをビデオカメラで画面撮りしたものがアップされております。→
コチラ。これなら削除されないだろう、という意図だそうです。そうなのか?(笑)