夜が明けたばかり、と思って起き出したら既に8時過ぎ。外は久しぶりの曇り空だ。ああ、季節が変わり始めた──と思う。東京だけかもしれないが、正月からしばらくは概して冬晴れが続く。そしてある時期から、今朝のようなグレーな冷たい空になる。これは、3月の花曇りまで続く。つまり、冬は底を打ったのだ。これからは春に向かっていく。jogに出ると、気温は4度と凍てつくほど低いにも関わらず、いつの間にか公園のロウバイ(蝋梅)が小さな黄色い花を満開にしている。白梅もぽつぽつと咲き始めた。
昨日仕事の合間、何気なくネットを見ていたら、
「冬季うつ病」というものがあると知った。冬は日光を浴びる機会が少なくなり、気持ちを安定させる脳内物質「セロトニン」の分泌が低下するので憂鬱になるのだそうだ。確かにこの季節、「この寒さは永遠に続くのではないか?」という絶望感にも似た想いに囚われる。けれど、注意深く見てみると、薄黄色一色だった芝生にも、所々緑の新緑が生まれ始めている。春は確実に近づいているのだ。そう考えると気分は明るくなる。
戻り、お風呂に入ってからCDで音楽を聴く。1日の中でいちばん幸せな時間。暮れからずっと弦楽四重奏、五重奏を中心にクラシックを流して来たけれど、今朝は約1年振りでキース・ジャレットをかけた。
『サンベア・コンサート』の〈TOKYO〉。氷のように美しい旋律を、ECMレコードがクリスタル・サウンドでパッケージした傑作。いよいよ、キース・ジャレットのピアノ・ソロが似合う季節になった。
※写真は仕事部屋の窓から見た公園の朝。data:ニコンD70、AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6G。ISO・200。