5時半起床。やはり外は真っ暗だ。ジェイムス・テイラーの『ワンマン・ドッグ』を小さな音でかけながら、じっくりとストレッチしていると、ほんの微かだが東にある林の向こうが明るくなって来る。昨夜から走るには強すぎる雨が続いているし、今日は午後から打合せで外出する予定なので、jogは自粛して早朝よりiMacに向かう。ひと仕事終え、遅い朝食をとってから傘を差して出かける。
午後2時、下北沢の喫茶店にて、初対面の編集さんと打合せ。僕が25才から27才にかけて作っていた雑誌、『ボディプレス』(白夜書房刊)を読んでくださっていたとのこと。約1時間半ほどで終了。今日もカメラを持って出たので、下北沢の街をぶらぶらと散歩しながら写真を撮る。小田急線複々線化による再開発が進んでいるけれど、まだあちらこちらに70年代の匂いが残っている。中古レコード屋、ジャズやロックを聴かせるお店。思わず飛び込んでビールなど頼み、昼間から酔っ払ってしまいたくなる。この街にはそんな魅力がある。。
写真を撮りつつ下北沢から井の頭線の池ノ上まで歩いてみる。こちらは20才を過ぎた頃、ある女の子と同棲のようにして暮らしていた。不意に懐かしくなって訪れてみたけれど、そのアパートも良く通った定食屋さんも、お風呂屋さんも無くなっていた。帰りは東北沢の駅まで歩き、新宿へ出る。また少し写真を撮り、新宿郵便局脇のドトールに入ってレタス・ドッグを食べる。此処のホットドッグは、小腹が空いた時おやつ代わりに食べると本当に美味しい。最近はスターバックス等の影響だろう、カプチーノやラテ系も充実している。
カフェ・ラテを飲みながら、吾妻ひでお・著
『失踪日記』(イースト・プレス)を読む。先ほど編集さんが「ウチで出した本なのでもしよろしければ」と言ってくれて、「わー、読みたかったんですよー」とありがたく頂戴したのである。マニアックなSFギャグ漫画家として知られ、女の子のキャラクターが可愛いので「元祖ロリコン漫画家」とも呼ばれる吾妻ひでおは、1989年11月、突然原稿を描くのを放棄して失踪する。その時は約1週間で家に戻るが、仕事をする気が失せ、連載をすべて降りてしまう。
以降、朝は仕事場に出かけて酒を飲んで眠り、夕方家に帰ってまた飲酒して眠るという生活を繰り返す。しかしそんな暮らしを続けているとやがて「鬱と不安と妄想が襲いかかってきて」、「どっか人のいない山の中で死のう」と決意し首を吊るが死にきれず、以降失踪者としてのホームレス生活が始まる。この笑えない現実を、著者はあの丸っこくギャグタッチの画風で描く。だから内容は果てしなく恐ろしいのだが、この才能はそれでも読者を笑わせてくれる。そこがまた凄まじいというか何というか。
で、僕の方は何故さっさと家に帰らずドトールで時間を潰していたかというと、18時35分から〈新宿バルト9〉で始まる話題の映画『THIS IS IT』を観に行ったからです。これに関してはまた明日以降にでも。映画館を出てからはマイケルの曲がアタマから離れず、「パンッ、茶ッ、宿直!」と口ずさみながら(←コレ、『タモリ倶楽部』を観てない人は判りませんね)駅からの道を歩く。パンッ、茶ッ、宿直!
※本日の一枚。西新宿のドトール・コーヒーにて。カウンター席に座り、レタス・ドッグとカフェ・ラテをいただく。data:ニコンD70、AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6G。ISO・200。