昨日はさすがに疲れたのか、9時まで爆睡。ブラインドを越して照りつける強烈な陽射しで眼が覚める。まるで夏が息を吹き返したようだ。しかし、マクラを陽に当てようとベランダに出ると、太陽は元気なものの空気はカラリとして気持ち良い。これはもう秋晴れというヤツだろう。「あー、走りたいな〜」という気持ちを抑え午前中よりiMacに向かう。夕方、この日記にはしばしば登場する兵庫県丹波篠山の友人・亮介のブログを覗くと、お祖父様が亡くなられたとある。数日前より体調が思わしくなく、医者からも「それなりの覚悟を」と言われたと聞いていた。100歳と4ヶ月の大往生である。
我々仲間の間では、このオジイチャンの長寿は常にネタであった。曰く、孫の亮介が大学生の頃に「お前が卒業するまでは頑張る」と言い、無事彼の卒業と結婚を見届ける。そして曾孫が生まれ成長するにつれ「小学校を出るまで」「いや、中学を高校を」「大学を出て社会人になるまで」と次々変わり、今春遂に玄孫を抱くに至って、「わしゃ、いつ死んだらエエねん?」と当惑されたとか(笑)。何せ関西人の話すことなので何処まで正確なノンフィクションかさだかではないが、数日前も仕事を終えた孫が心配して部屋を訪ねると、「大丈夫や、今日はまだ死なへん」とおっしゃったそうだから、最後まで洒落の効いたお人柄だったのだろう。
この友人は元篠山観光協会会長であり、現商工会会長で尚かつ地元第三セクターの取締役などしているのでついつい忘れてしまうのだが、本職は明治42年創業の老舗和菓子屋・
梅角堂の店主である。そしてお祖父様も、生涯現役の和菓子職人であった。常に勤勉で朝早くから仕事場に立つも、昼食時には小さな徳利一本のお酒を楽しみ、少し微睡んでから午後の仕事に就くという粋の人でもあった。100歳を過ぎた死はむしろおめでたという言葉もあるそうだが、人間すべからくこのように惜しまれつつも尚、笑顔で送られたいものである。心よりご冥福をお祈りいたします。