7時起床。朝いちばんでジムへ。ストレッチしてからダンベルをやってフト見ると、有酸素運動系マシンに付属したTVモニターが、大勢のランナーが一斉に走り出すのを映し出している。そうか、今日は東京マラソンだっけ、と思い出す。年々参加希望者が増えて、今年の倍率は7.5倍だったとか。イヤハヤ、日本人って本当に走るのが好きだよなあ──なんて他人事のように思う。あはは。が、家に戻り仕事をして、夕方何気なくTVをつけると「タレントの松村邦洋さん(41)が15キロ付近で倒れ、心肺停止状態に」という報道が流れる。大丈夫だろうかとネットのニュースを検索してみる。「意識は取り戻し、命に別状はなし」と出てホッとした。
「松村さんは昨年の東京マラソンは35キロ地点でリタイアしたが、昨年7月にオーストラリアで行われたゴールドコーストマラソン2008では、6時間51分40秒で完走した(←excite.より)」とある。フルを6時間50分ということは、どんなに遅いスピードであっても、レースの半分以上は歩かず走ったということになる。これは、ある程度トレーニングをしている証拠だ。ホノルルマラソンなど制限時間の無い大会に、ノリと勢いだけで出てしまった人は、大抵8時間はかかる。最初の15キロくらいは何とか走るももの、残りは歩くのもやっとという状態になったままゴールにたどり着くからだ。ちなみに最初から最後まで歩き続けると10時間はかかるという。こう書くと、フルマラソンというのがどれほど過酷なものか判ると思う。
では、日常ある程度ジョギングなどしいる人でも、このようなトラブルに陥ってしまうのか──と問われると、残念ながらそういうこともあるだろうな、と答えざるをえない。人間というのは「今日は調子が良いから行けるところまで行ってみよう」と40キロ走るのと、最初から42.195キロ完走しようと臨むのとではまったく違う。事前にトレーニングを重ねてレースに挑戦する場合は尚更だ。どんなアマチュアのランナーでも、「これだけ準備して来たのだから」「出来るだけ良い結果を出したい」と必要以上に頑張ってしまう。それが人情というものです。松村クンの場合、番組の企画だったというから「制限時間内に完走しなければ」というプレッシャーもあったのではないか。
僕は今までフルマラソンを5回か6回、走った。5回か6回──なんて数字が曖昧なのは、それほど強い印象が無いからだ。もちろんホノルルとかで走ると景色は綺麗だし、42.195キロそれなりの充実感はあるのだが、じゃあそれは一人で毎朝音楽を聴きながら走るより楽しいかと言われると、「ウーン」と考え込んでしまう。まあ僕の場合、とことん誰かと何かを共有するのが苦手なのかもしれないが。しかしそれでも、いつかはサロマ湖の100キロ・ウルトラマラソンを走ってみたい、なんてココロの何処かで願っていたりする。僕は現在50才。間寛平さんが還暦にしてアースマラソン挑戦中だから、猶予はあと10年だな、とか。そう考えると、やはりマラソンには人を惹きつける何か妖しい魔力のようなものがあるのかもしれない。