いよいよ仕事が押し迫って来たので、ジムもjogも自粛して早朝からiMacG4に向かう。正午過ぎ、午前中に録画したテレ朝『サンデープロジェクト』を観ながら簡単な昼食をとる。普段は政治問題が中心のこの番組も、昨夜元厚生事務次官殺害の犯人を名乗る男が警視庁へ出頭したことを受け、この事件の検証をしている。ゲストは自らもかつて実家に放火されたテロの被害者である自民党の加藤紘一、そしてジャーナリストの大谷昭宏氏。巷でも少しずつ言われ始めていることだが、この事件には社会の悪を正すエセ義賊的な側面があり、大谷さんも田原総一朗氏も、引いてはそれが言論弾圧になることを危惧していた。
自民党の津島という代議士は、マスコミの官僚叩きがこのような事件を生んだとコメントし、トヨタ自動車の奥田という相談役は「スポンサーを引く(降りる)ことでマスコミに報復してやろうか」と脅しともとれる発言をしているらしい。これはもう、バカを通り越して恥ずかしい。こういう時代だからこそ大人が社会正義について冷静な発言をしなければならないことを、まったく理解していない。政治家は言うまでもないが、経済界のトップと呼ばれる人だって、金儲けだけしていれば良いわけではない。だから日本の金持ちは世界中からバカにされるのだ。
例えばジョージ・ハリスンはビートルズの成功でスーパースターになりながら、当時起こったインド・パキスタン戦争による大量の難民とその飢餓のために、
「コンサート・フォー・バングラデシュ」というチャリティー・ショーを企画した。これにはボブ・ディランやリンゴ・スター、エリック・クラプトン、リオン・ラッセル等も参加し、映画にもなって世界中で公開された。僕ら70年代の子供達は、これを見て心の底からカッコイイと思った。ただ、このコンサートも映画も、残念ながら税金のことが上手に考慮されていなかったらしく、実際ほどんどお金がバングラデシュの人達に届かなかったらしい。
しかしその精神は80年代のバンドエイドやUSA・フォー・アフリカへと引き継がれていく。かつて世界一の大金持ちと言われたビル・ゲイツが、現在はマイクロソフト社の経営からは一線を退き、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団を通してエイズ、マラリア、結核の撲滅に尽力していることは良く知られている。ビル・ゲイツは僕より3つ年上の1955年生まれ。彼もまた70年代の子供である。